平塚運一 斑鳩寺初秋、議会図書館ワシントンD.C.紛失
埼玉県は、埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区、建畠晢館長)が所蔵していた木版画作品2点(計14万円相当)の紛失が判明したと発表しました。 埼玉県と埼玉県立近代美術館は「埼玉県民の貴重な財産を失ってしまい、大変申し訳ない。再発防止を徹底したい」と話しています。 埼玉県立近代美術館によると、紛失した作品は島根県出身の版画家平塚運一氏(故人)から1986年に寄贈された7点のうちの2点。 作品は「斑鳩寺初秋」(42年作)と「議会図書館ワシントンD.C.」(66年作)で、いずれも展示作品ではありませんでした。 大きさは、斑鳩寺が縦76センチ、横59センチ。 議会図書館ワシントンD.C.が縦72センチ、横56センチ。 1987年、職員が、作品2点が見当たらなくなっていることに気付き捜していました。 今年9月からの大規模改修工事を前にした7月、収蔵庫内の作品を総点検しても見つかりませんでした。 10月に美術館全体を捜索するとともに、元職員らに聞き取り調査をした上で、紛失と断定。 収蔵庫の鍵は職員が管理しており、盗難に遭った可能性は低く、誤って処分したことも考えられるということです。 原因として、かつては収蔵庫内の作品の保管場所が一定していなかったり、作品の管理者を分野別に決めていなかった時期があり、作品の総点検も実施していなかったことを挙げています。 埼玉県立近代美術館は、平塚運一氏の遺族に紛失したことを謝罪。 埼玉県は、埼玉県内博物館の館長を集めて資料の定期的な総点検の実施などを徹底しました。 ~埼玉県立近代美術館所蔵の木版作品2点の紛失が判明しましたので発表します~ 今後は、再発防止のため県立近代美術館を含む県立博物館施設における資料管理及び危機管理の徹底を図ります。 1 紛失した作品 作 者 平塚 運一 作 品 木版2点 合計14万円相当(寄贈作品) ア 斑鳩寺初秋 10万円相当 (昭和17年作 木版 額なし 76.0×59.0cm) イ 議会図書館ワシントンD.C. 4万円相当 (昭和41年作 木版 額なし 72.0×56.0cm) 2 経緯 昭和61年 8月22日 平塚運一氏から県立近代美術館に対して、木版作品7点が寄贈される。 昭和62年以降 寄贈作品のうち当該