五郎兵衛用水 世界かんがい施設遺産登録

農地に水を供給する「かんがい施設」で、農業の発展に大きく貢献し、高い技術が使われるなどしている施設を認定する「世界かんがい施設遺産」として長野県佐久市の「五郎兵衛用水」が登録されました。

国際かんがい排水委員会(ICID)の認定制度で、国内では35施設目です。

長野県内では2016年に登録された「拾ケ堰」(松本、安曇野市)と「滝之湯堰・大河原堰」(茅野市)に続き3施設目となりました。

五郎兵衛用水は江戸初期の1613(慶長18)年、地元有力者の市川五郎兵衛が私財を投じて開削しました。

水源は蓼科山(茅野市、立科町)の湧水を利用し、築造時の全長は20キロ。

起伏がある地形のため、積み上げた土の上に水を通す「築堰」と呼ばれる高い技術を駆使し、4、5年かけて完成したとされています。

五郎兵衛用水の完成により、荒れ地だった地帯は水が巡る地域になりました。

現在でも13・3キロの施設が実際に利用され、佐久市のほか、小諸、東御両市の一部も含め計416ヘクタールの農地を潤しています。


佐久市浅科地区のコメ農家が生産するコシヒカリには「五郎兵ヱ米」「五郎兵衛米」の名が付いているものもあり、五郎兵ヱ米を扱うJA佐久浅間の担当者は「五郎兵衛用水があってこその感謝の気持ちも込められた名前。登録はうれしい」と話してくれました。

国際かんがい排水委員会(ICID)は、かんがい排水の歴史を顕彰するとともに、施設を利用して食料供給などを強化することを目的に1950年に設立された非政府の国際団体で、現在は78の国・地域が加盟しています。

世界かんがい施設遺産制度は2014年に創設され、建設から100年以上経過した施設を対象に選定しています。

このブログの人気の投稿

大久保祐映さん119番電話しても救急車出動せず 怒

仙台市場でつくった牛タン笹かまぼこ黄金焼!旨い!

なやみ言おう24時間いじめ相談ダイヤル0570-0-78310