幻の技法 パート・ド・ヴェールに息づく自然 樋口主明・樋口真一展

諏訪市豊田の「SUWAガラスの里」内にある北澤美術館新館で「幻の技法パート・ド・ヴェールに息づく自然 樋口主明(きみあけ)・樋口真一展」が始まりました。

幻の技法とされる「パート・ド・ヴェール(フランス語: Pâte de verre,英語: Paste of GlassTechnigue)」を確立した樋口主明さんと樋口真一さんのガラス工芸作品約100点を展示。

初日は出品作家2人が来館し、ギャラリートークを行い作品制作について解説してくれました。

パート・ド・ヴェールは、色ガラスの粉粒を鋳型に詰めて焼成する特殊な技法。

古代エジプトで栄えた後、長らく途絶えていた。19世紀末のアール・ヌーボー期に再発見されたが、当時は各工房が秘伝として公開せず「幻の技法」とされてきたそうです。

2人は夫婦で栃木県那須町に工房を構えています。

妻の主明さんと夫の真一さんは、数年の試行錯誤を経てこの技法を確立し作品制作に反映させるとともに、世界各地のワークショップで技法を公開しています。

会場には、主明さんが「北海道で日本原種のキャベツを見てその大きさに驚き、作り始めた」という作品「キャベツ」や2人が共通テーマ「日本のかたち」に沿って制作した「鯛(たい)」「牡丹(ぼたん)」「舌切雀(したきりすずめ)」といったふた付きの箱物の数々が並んでいます。

作品には草花や昆虫など自然の生き物が浮き上がり繊細な色使いで生き生きと表現されています。

ギャラリートークでパート・ド・ヴェールの制作工程を説明した真一さんは、技法を公開する理由について「技法はものを表現する手段であり感性とは別で、人によって違う作品ができる。ほかの人がさらに発展させて新しい技術になり、自分たちにフィードバックされる良い循環ができたらうれしい」と話してくれました。


*幻の技法 パート・ド・ヴェールに息づく自然 樋口主明・樋口真一展*

色ガラスの粉粒を鋳型に詰めて焼成する「パート・ド・ヴェール」は、古代メソポタミアとエジプトで栄えたのち長らく途絶えていましたが、19世紀末のアール・ヌーヴォー期に再発見された技法です。
当時は各工房の秘法として公開されなかったこの「幻の技法」を、樋口(ひぐち)主(とも)明(あけ)・樋口(ひぐち)真一(しんいち)は、陶磁器とガラスに一体化を試みる経緯から探究し、数年の試行錯誤を経て確立しました。
その後も常に技術的な冒険に挑み続け、多くの技法を編み出し作品に反映させています。
とりわけ、卓越した色のコントロール、型作りのテクニックには定評があり、世界各地でのワークショップを通じてそれらの技法を公開することによって、世界的な評価を受けています。
彼らは那須に住居と工房を構え、様々な植物、野菜を育て、ミツバチを飼育するといった自然と対峙する生活の中で創作活動を続けています。
エコロジストでもある両氏の作品には、かけがえのない自然に対する思いや、自然と共に育まれた時間が凝縮されています。
本展では、大型作品を含む100余点の作品と共に、パート・ド・ヴェールによる制作工程を紹介し、「幻の技法」パート・ド・ヴェールを分かりやすく解説します。国内外で称賛を浴びたパート・ド・ヴェール芸術をご堪能ください。

■会場
北澤美術館 新館(SUWAガラスの里内)
■2012年7月14日(土)~2012年11月27日(水)
■開館時間
(7~10月)9:00~17:00 *閉館時間の30分前までにご入館ください。
(11月)  9:00~18:00 *閉館時間の30分前までにご入館ください。
*会期中無休
■電話:0266-57-2100
■入場料
大人800円  中学生400円 小学生以下無料
北澤美術館本館とのお得な共通券もあります
■住所
長野県諏訪市豊田2400-7
■関連イベント:作家によるギャラリートーク
7月14日(土)、8月5日(日)各日14:00~
参加費:無料(要入館チケット)

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