福島 飯舘の方言
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渡辺富士男さんは、福島県飯舘村の方言約1000語をまとめた書籍を完成させました。
渡辺富士男さんは以前クリーニング店を営み、地域の高齢者宅を訪ね歩く中で方言の魅力に気付かされました。
言葉と意味を聞き取り、約20年にわたりノートに書き留めてきました。
渡辺富士男さんは福島県飯舘村出身です。
相馬農高飯舘校を卒業後、都内のクリーニング店で腕を磨き、地元に戻り念願の店を開きました。
村内唯一のクリーニング店でしたが、当初は依頼が少なく一軒一軒訪ねて顧客を得る毎日でした。
年配のお客さんと話す中で飯舘の方言に興味を持つと同時に、温かい言葉に心が和んだそうです。
店は2007(平成19)年ごろに閉店しましたが、20年余りで書き留めた方言は約1000語に上り、ノート3冊分になっていました。
2011年3月に原発事故が起き、日常は一変しました。
全村避難を強いられ、福島市松川町の借り上げ住宅に身を寄せました。
避難中、旧友と方言交じりで会話していると懐かしく感じました。
「飯舘の言葉をなくしてはならない」と思いは強くなりました。
2017年3月に避難指示が解除されると8月に帰村。
しまいこんでいたノートを引っ張り出して編集作業に没頭しました。
福島 飯舘の方言は100ページ。
方言と意味に加え、使用例も併記し若い世代でも分かるように工夫しています。
写真やイラスト、コラムも盛り込み、用語集にとどまらない内容に仕上がりました。
イラストは旧知の柴口正武さんが手掛けました。
「方言は心の古里。飯舘の言葉を伝え継ぎ、村民の絆を守りたい」と渡辺富士男さんは話してくれました。
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