若狭塗箸 ミラノ万博へ

若狭塗箸協同組合は、小浜市がイタリア・ミラノ万博に出展するのに合わせて若狭塗箸を現地の日本料理店でテスト販売することにしました。

飽和状態の国内販売から海外販売に目を向け、世界に箸文化を広げるのが夢。

2000膳余りを現地に発送しました。

販売先は、日本人が経営するすし店のほか、雑貨専門店やイベント会場。

すし店では店でも使ってもらい、客のもてなしに一役買っています。


小浜市は、国内の塗り箸生産の八割を占める産地。

小さく切り取った貝殻を、塗り重ねた漆に埋め込んで研ぎ出す螺鈿と呼ぶ技法は、若狭塗箸の象徴です。

今回は、九業者が製造に関わりました。

デザインは、20種類。

乾燥した漆をまいて箸先を滑りにくくした乾漆と呼ばれる技法を施した箸や、食器洗浄機に対応したものを含んでいます。

すべてに和風の柄の箸袋を付けており、価格は日本円で1600円から2000円程度。


東洋の食文化を象徴する食具、箸。箸食文化圏のなかでも、日本は唯一、箸のみを使う国として長らく推移してきました。汁物を食する場合、器を手に取って持ち上げ、直接器に口をつけてすするという食べ方は、そんな背景から生まれたと見られます。

日本の箸文化の大きな特徴は、「個人の魂が宿るもの」と考えられてきた点にもあります。男性用、女性用、子ども用と身体に合わせて作り分け、一人ひとりが自分の箸を持つのも、箸が個人に所属するものと考えることと無関係ではないでしょう。生後100日目のお食い初めを「箸揃え」「箸立て」と呼ぶのも、箸を個人に寄り添うものとして捉えているからです。また、新年には家族全員に新しい箸を用意したり、来客を新しい箸で迎えたりするのは、個人の口に入るがゆえに清らかさを求めるからと考えられます。割り箸は、箸に清浄さを求めるなかから生まれた一形態といえるかもしれません。

今日、箸の作り手たちはいっそう身体にフィットする箸作りを意識しています。日本の箸生産量の8割以上を占めるという福井県小浜市の若狭塗箸協同組合の平野泰之氏は言います。「日本人の体型が大きくなったことにより、箸のサイズも変わりました。10年ほど前と比べて、男性用は22.5cmから23cmへ、女性用は19.5cmから21cmへ、子ども用は16.5cmのみだったのが18cmというサイズも出てきています」

材質として、杉、竹、檜、柳、南天……と多くの箸に木が使われ、木の文化が背景にあることを印象づけます。江戸時代からは塗箸も普及。前述の小浜の若狭塗はその発祥といわれ、何度も薄く漆を塗ることで細く丈夫な箸を生み出してきました。「鶴のくちばし」といわれるほどの箸先の細さ、アワビ貝や卵殻を使って若狭湾の海底の美しさを表現したという意匠には、日本人の箸に込めた思いを感じることができます。「つまむ、ほぐす、切る……日本人は食事の最初から最後まで箸ひとつで通します。そんな箸の多機能性も世界に伝えていきたいですね」と平野氏は語ります。

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