オスプレイ佐賀空港配備騒音被害

オスプレイを佐賀空港に配備する計画をめぐり佐賀県杵島郡白石町の畜産農家は複雑な思いで動向を見つめています。

2004年に就航した夜間貨物便の騒音について、肥育牛への影響が立証できなかった苦い経験があるからです。

白石町の担当者は「航路や騒音に懸念はある」として情報収集を始めました。

白石町八平にある畜産団地。

ここで働く林国人さんは、午前3時ごろ、いつも目が覚めるそうです。

「貨物便が上空で旋回する時、ダンプカーが通るような音がする。夏、暑くても窓が開けられないよ」と話しています。

佐賀県空港課によると、夜間貨物便は、羽田-佐賀を往復する1便だけで、週5回ほど運航。

高度1500メートルで飛んできた貨物便は、着陸準備のため、白石町付近で旋回して一気に高度を落とします。

畜産団地では、高度400~500メートルと最も低くなり、当初から騒音が問題視されてきました。


和牛の肥育と繁殖で140頭を飼育する黒木勝廣さんは、天井からつり下げた何台もの大型扇風機で、牛に風を送っています。

「夏場は牛も暑いから、一日中扇風機をかけるよ。常に音量が一定の扇風機と、時々来る飛行機では、牛に与えるストレスも違う」と話しています。

2004年、合併前の福富町の町長と町議会は、騒音の影響が少ない飛行ルートを通るよう佐賀県に意見書を提出。

騒音被害が生じた場合、補償を求める項目も盛り込みました。

しかし、黒木勝廣さんは「『就航後に福富町の肥育農家20軒中19軒で肉質が落ちた』と4年前に訴えましたが、被害として認められなかった」と振り返ります。


佐賀県空港課は「外部の研究者を入れて調査したが、夜間貨物便と肉質低下に因果関係が見られなかった」と説明。

佐賀市川副町、柳川市とも公害協定、環境保全合意書を結んでいますが、騒音被害を認めて補償した事例はないということです。

オスプレイは、離着陸時の騒音が大きく、旅客機などに比べ不快感や振動を与える低周波音を多く出すと指摘されています。

黒木勝廣さんは「肉質がさらに悪くなっても、同じことが繰り返されないだろうか」と心配しています。

有明佐賀空港夜間貨物便運営協議会は、会合を開き、佐賀県の担当者がオスプレイの配備計画を説明しました。

有明佐賀空港夜間貨物便運営協議会メンバーでJA白石地区肥育牛部会の吉原和樹部会長は「酪農、繁殖農家とともに対応策を今後しっかり検討したい」と話してくれました。

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