謎の独立国家ソマリランド、高野秀行

第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞の授賞式が長野市内で開かれました。

「謎の独立国家 ソマリランド」(本の雑誌社)で受賞したノンフィクション作家、高野秀行さんは「誰も行かない所に行き、誰もしないことをやり、面白おかしく書くのがポリシー。紛争地の人たちも暗い顔ばかりしているわけじゃない。笑いや面白いことにスポットを当てたかった」と話しています。

高野秀行さんは、統一政権の崩壊後、武装勢力が群雄割拠するアフリカ東部のソマリアで、十数年にわたって平和を維持している「独立国」ソマリランドに着目しました。

戦乱の周辺地域を含めて滞在・取材し、受賞作にまとめました。

各勢力を源氏や平氏、戦国武将にたとえるなどの工夫もしています。

式典で小山修三梅棹忠夫・山と探検文学賞委員長は「海賊が出る危険な所によく行った。読みやすく、未知の土地に出掛けて異文化を理解する面白さが伝わってきた」と講評しました。

高野秀行さんは「学生時代、梅棹先生が切り開いた学術探検を志したことがある。20年たち、この賞をいただいて感無量です」と。



梅棹忠夫・山と探検文学賞は、民族学者・文化人類学者の故・梅棹忠夫さんにちなんで2010年に創設されました。

第1回受賞作は、角幡唯介さんの「空白の五マイル」。

第2回受賞作は、中村保さんの「最後の辺境 チベットのアルプス」。

http://umesao-tadao.org/index.html


謎の独立国家 ソマリランド 目次

プロローグ 地上に実在する「ラピュタ」へ

第1章 謎の未確認国家ソマリランド

1 ラピュタへのビザはどこで取得できるのか
2 ソマリ人は傲慢で、いい加減で、約束を守らず、荒っぽい
3 市場に札束がごろごろ
4 動物だらけの遊牧都市
5 世界でいちばん暑い町
6 海賊に拉致されたドイツ人と刑務所の海賊

第2章 奇跡の平和国家の秘密

1 ソマリランド観光案内
2 天変地異には要注意
3 知られざる覚醒植物カート
4 ソマリランドはなぜ治安がいいのか
5 ワイルド・イースト
6 だいたいソマリランド最高峰登頂記
7 ソマリランドが和平に成功した本当の理由
8 独立は認められないほうがいい?
9 「地上のラピュタ」は、ライオンの群れが作る国家

第3章 大飢饉フィーバーの裏側

1 ソマリア三国志
2 北斗の拳を知らずしてラピュタは語れない
3 世話役はカートの輸出業者
4 被差別民の意見
5 ハイエナには気をつけろ
6 アル・シャバーブの影

第4章 バック・トゥ・ザ・ソマリランド

1 奇跡の政権交代
2 ソマリの超速離婚
3 血の代償
4 ワイヤッブの裏切り

第5章 謎の海賊国家プントランド

1 海賊の首都ボサソ
2 氏族の伝統が海賊を止められない理由
3 籠の中のカモネギ
4 プントランドも民主主義国家?
5 ソマリランドの「宿敵」はこう語る
6 世紀末都市ガルカイヨ
7 謎の源氏国家ガルムドゥッグ
8 史上最大の作戦
9 続・史上最大の作戦

第6章 リアル北斗の拳 戦国モガディショ

1 モガディショ京都、二十年の大乱
2 世界で最も危険な花の都
3 剛腕女子支局長ハムディ
4 旧アル・シャバーブ支配区を見に突入
5 完全民営化社会
6 現場に来て初めてわかること
7 カートとイスラム原理主義
8 アル・シャバーブを支持するマイノリティ
9 アル・シャバーブはマオイスト?
10 すべては「都」だから

第7章 ハイパー民主主義国家ソマリランドの謎

1 戦国時代のソマリランド
2 「地上のラピュタ」に帰る
3 アフリカTV屋台村
4 ソマリランド和平交渉の全てを知る長老に弟子入り
5 ソマリの掟「ヘール」の真実
6 ソマリ人化する
7 世界に誇るハイパー民主主義
8 伊達氏の異能政治家・エガル政宗の恐るべき策謀
9 地上のラピュタを超えて

エピローグ 「ディアスポラ」になった私

ソマリランド
謎の独立国家ソマリランド、高野秀行 謎の独立国家ソマリランド、高野秀行 Reviewed by I Kinoshita on May 26, 2014 Rating: 5
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