やな漁ピンチ 千曲川

千曲川でアユを捕る伝統漁法・やな漁の仕掛けが台風18号の大雨による増水で被害を受け、漁ができない状態になっています。

漁師たちは「激しい濁流によってアユそのものも多くが下流へ流された」とみており、費用をかけて仕掛けを修理しても仕方がないと言うことだそうです。

千曲川のやな漁は、9月上旬から10月中旬までが中心。

今季は、漁本番を前に終えざるを得ない可能性が高くなっています。

やな漁はもうやめるしかない、上田市下之条の千曲川で約20年間、やな漁をしてきた地元の中山泉さんは、そうつぶやきました。

やなは、木材を組み合わせてすのこ状にした仕掛け。

産卵期になって水温が下がると、アユが川を下ろうとする習性を利用して捕らえる漁法。

岸辺近くに固定してあった中山さんのやなは、台風による増水でこの日も水没したまま。

しかも岸は濁流の勢いで削り取られて川幅が広がり、やなの場所へ歩いて行くことができなくなりました。

中山さんによると、この場所で20年ほど前に同様の被害があった際は、岸の修復などの工事に実費で100万円ほどをかけたという。


「今年も春にやなを補修したばかり。これ以上の出費はできない」と途方に暮れています。

上田小県地域でやなの仕掛けがあるのは、ほかに2カ所。

上田市小泉で漁をしている近くの石井孝二さんも増水でやなの状況を把握できておらず「壊れていたら補修はできるが、アユがもういなくなっているのではないか」と心配しています。

東御市島川原で仕掛けている荻原悟さんは、やなが流されていないことを確認できたものの「今季はアユはほとんどいないと思う」と話しました。

上小漁業協同組合(上田市)によると、やな漁では例年、3カ所で計約1・5トンのアユを収穫しますが、不漁だった昨季は計0・3トンほど。

今季は、台風前までに計約0・2トンにとどまっています。

富岡道雄組合長は「アユは千曲川の代名詞とも言える存在。組合全体で対応を考えなければならない」としています。

また、旧南佐久郡佐久町から小諸市までの千曲川水系を管轄する佐久漁業協同組合(佐久市)によると、管内の千曲川に仕掛けたやなが壊れ、漁ができない状態。

佐久漁業協同組合の中沢重和組合長は「この時期の落ちアユは卵をたっぷり持っていて、脂ものっているので期待していた。濁流に弱いアユは海の方へ下り、今季は十分な漁にならないだろう」と話してくれました。

上小漁業協同組合

住所: 〒386-0018 長野県上田市常田1丁目2−16

TEL:0268-22-0813

FAX:0268-22-5838

佐久漁業協同組合

住所:385-0054 長野県佐久市跡部17-1

TEL:0267-62-0764

FAX:0267-62-7700

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