被災地に届けたい「お地蔵さん」プロジェクト第１弾

東日本大震災の犠牲者を追悼し、被災地を優しく見守ってもらおうと山形市民らが設置の準備を進めてきたお地蔵さんが宮城県石巻市門脇町に建立されました。

津波で浸水した岩手、宮城、福島の沿岸全３７市町村、５０カ所に建立する計画の第１弾です。

高さ１５０センチのお地蔵さんは、２体の童地蔵に囲まれて柔らかな笑みを浮かべています。

長源寺（山形市）の葦原正憲住職らが中心となってＮＰＯ法人「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」を設立。

チャリティーイベントなどを通して全国に協力を呼び掛けてきました。

元プロ野球選手の長嶋茂雄さん、王貞治さんら多くの著名人が賛同しています。

お地蔵さん開眼復興祈願法要には、約７０人が参加しました。

プロジェクトの理事長を務める葦原正憲住職は「皆さんの協力でお地蔵さんに魂を入れることができた。未来に向かって立ち続け、被災地を見守ってほしい」とあいさつしました。

地元代表者や地権者らと共に除幕しました。

敷石には、地元の石を使用。

供物台の中には寄付者の芳名帳を納めました。

亀山紘石巻市長も駆け付け「被災者が祈りをささげる場をつくっていただき、本当にありがとうございました」と述べました。

式典後は、地元の人々に「つや姫」100％のおにぎりと餅が振る舞われました。

近くに住む女性は「（震災から2年たつが）まるで昨日のことのよう。真っ黒なクジラのような波が来て車や家を押し流し、友達の命を奪った。お地蔵さんは心の支えになる。癒やされます」と感謝していました。