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福島警戒区域で野生化したペットが住宅荒らす

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福島第1原発事故で警戒区域に指定された福島県双葉郡の町村で野生化したペットが無人の住宅に入り込んで荒らす被害が相次いでいます。

首都圏などの動物愛護グループがペットフードをまいて動物を集め、室内荒らしを助長させているそうです。

福島県警は「善意とはいえ、被害を拡大させるだけでなく、違法行為の可能性がある」と自制を促しています。

「台所の食品庫の食料が食い散らかされた」「家中ふんだらけだ」 双葉郡8町村を所管する双葉署には、昨年4月の警戒区域の指定後住民から苦情が寄せられています。

避難先から一時帰宅して惨状を目の当たりにし、通報します。

「侵入者」は、家に取り残されて野生化した犬、猫のペットのほか、野放しになった豚などの家畜。

家に残された食料の臭いを嗅ぎ付け、家屋の破損箇所から入り込んできます。

食料が腐敗していてもお構いなしで、冷蔵庫を開けたり、炊飯器を倒したりして食い荒らしています。

小麦粉の袋を食いちぎって中身をむさぼることもあります。

ふんをして悪臭のもとにもなっています。

動物の仕業と観念して通報しない人も多く、双葉署は、潜在的なものを含めれば被害は100件を超すと見ています。

双葉署の話では、動物愛護グループが警戒区域に入って動物に餌を与え、被害拡大を招いているそうです。

町村を通じて国から公益立ち入りの許可を得て、車にペットフードを詰め込み、検問所を通ります。

住宅の敷地に入り、窓ガラスの破れた所などからフードを投入。

庭先にまくこともあるが、「動物が雨風をしのげる」と室内に投げ込む例もあるそうです。

結果的に動物を呼び込み、室内荒らしを助長しています。

グループのメンバーは検問所通過の際、「動物がかわいそうで餌をやりにきた」と善意を強調。

立ち入り許可証を持っていて、警察も制止しにくいそうです。

災害対策基本法では、動物に餌を与える行為は公益立ち入りの対象に入っていません。

グループは主に「支援物資の配給」を名目に許可証の交付を申請していますが実際の行為が名目と異なる違法申請の可能性があります。

家主に無断で住宅に入れば住居侵入罪にも当たります。

滋賀県の動物愛護団体「エンジェルズ」は原発事故後、警戒区域内で約370匹の犬や猫を保護しています。


林俊彦代表は「餌を与えれば動物はふんをするし、掃除のことまで考えなければ無責任だ。動物愛護に基づく行為とはいえ、ルールを守らなければ迷惑だ」と話しています。