熊本県営路木ダムの建設は違法

Tags

熊本県営路木ダム(熊本県天草市河浦町)の建設に反対する市民らが、蒲島郁夫知事に事業費の返還と今後の支出を差し止めるよう求めた住民訴訟の判決で、熊本地裁は、ダム建設計画を違法と判断。

判決で片山昭人裁判長は「過去に下流域で家屋の浸水被害はなく、洪水調整施設として建設する必要はない。社会通念に照らして妥当性を欠き、知事の裁量権を逸脱した」と指摘し、過去の被害を考慮せずに作成した計画は河川法に違反するとしました。

原告らは「主張が認められた」と喜びをかみしめました。

一方、事業を進めた熊本県や天草市には、動揺が広がっています。

熊本県は、控訴する方針。

判決後、原告らは「勝訴」と書いた紙を掲げて集会。

原告代表の植村振作さんは「知事への事業費返還請求が認められなかったのは理解できないが、本質的には勝訴。主張が認められ、ダム事業を違法と判断した意義は大きい」と話してくれました。


加藤修弁護士は「ダム建設の是非が争われた各地の訴訟で、ここまで明確に違法と踏み込んだ判決は例がないのでは」と話しています。

訴訟を支援してきた市民団体の中島康代表は「知事は違法なダム計画を進めたことを熊本県民に謝罪すべきだ」と指摘。

「ダム行政は、根本的に変わらなくてはならない」と他のダム計画への波及効果に期待しています。

一方、熊本県には衝撃が走りました。

熊本県庁内では、担当者が総出で判決文を読み込み、熊本県幹部や熊本県議に報告。

ダムは、4月1日の供用開始予定で、熊本県河川課の持田浩課長は「予定通り進めたいが、違法とされたからには精査が必要だろう」と戸惑っています。

蒲島知事からも「しっかり中身を押さえてほしい」と指示があったということです。

地元でも、それぞれの立場で判決を受け止めました。

路木川が流れ込む羊角湾への影響を懸念し、工事着工まで反対活動をしていた天草市河浦町の天草漁協崎津支所。

浦壁壯介元代表は「ダムは完成し、供用も始まる。判決にあまり意味はないのでは」と複雑な表情。

牛深地域の安定的な水源の確保を求めて早期完成を要望してきた牛深町区長会の里見洋之会長は「利水の必要性が認められ、今後渇水に対する不安がなくなるのは大きい」と受け止め、安どの表情を浮かべました。

補助参加した天草市は、利水の主張が認められたことに安どする半面、旧河浦町が治水対策を求めていたこともあって、複雑な受け止め。

安田公寛市長は「熊本県と協議した上で対応したい」というコメントを出しました。

Related article