震災からよみがえった東北の文化財展・がれきの中から見つかった文化財

東日本大震災後、がれきの中から見つけだされた文化財を集めた「震災からよみがえった東北の文化財展」が1月27日まで人と防災未来センター(神戸市中央区)で開かれています。

郷土人形や古民家の民具、縄文土器。

被災した博物館から多くの貴重な資料が失われる中、郷土の宝を守ろうと立ち上がった人々の手で被災地の歴史と文化が復興のシンボルとして、静かに息を吹き返しています。

岩手県遠野市や陸前高田市などでつくる「震災からよみがえった東北の文化財展」実行委員会の主催。

文化庁の文化財レスキュー事業などで再生した文化財をはじめ、泥まみれになった文化財の復旧作業を写した写真パネルなど計約60点を展示しています。

陸前高田市立博物館に所蔵されていた「高田人形」は、1体だけ難を逃れました。

高さ20センチほどで、着物の赤色が鮮やかな女の子。

土を焼かずに乾燥させる珍しい製法で「幻の郷土人形」とも呼ばれています。

安価で人気を集めましたが1960年頃を境に衰退し現在では作られていないそうです。

蔵書約5万3000冊のほとんどが流された岩手県大槌町立図書館では、昭和三陸地震津波(33年)の記録資料が見つかりました。


会場では、職員らが一枚一枚手作業で洗浄し、美しくよみがえった和紙と文字を見ることができます。

文化財レスキューには、地元住民も携わりました。

陸前高田市の小学生ががれきから回収された縄文土器片を洗浄する様子も写真で紹介されています。

郷土の歴史を体現した古民家の一部や民具、郷土芸能の道具、捕鯨の伝統を今に伝える鯨油せっけんなど展示資料には、被災地に息づく文化が色濃く宿ります。

レスキューと企画展の中心的役割を担う遠野文化研究センター学芸員前川さおりさんは「文化財は人々の暮らしが育み、守ってきたふるさとの宝。被災者にとって日常を回復する上で不可欠な心の支えです」とのコメントを寄せました。


日本ミュージアム・マネージメント学会では、遠野市(遠野文化研究センター・市立博物館)をはじめ陸前高田市、大船渡市、釜石市、大槌町、山田町、宮古市との共催で、東日本大震災から救出された文化財を紹介し、被災地への更なる支援と地域社会における文化財の大切さを呼び掛ける「震災からよみがえった東北の文化財展」を昨年度に引き続き開催します。

文化財レスキュー活動の状況や被災からよみがえった文化財、その後の復旧・修復過程等を展示公開するとともに、遠野市立博物館の学芸員による展示解説等を予定しています。


兵庫県(神戸会場)

◎会 場:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター東館3階
[人と防災未来センターの展示観覧には入館料金が必要]

◎日 時:平成24年12/11(木)~平成25年1/27(水) 9:30~17:30 (金・土のみ9:30~19:00)
入館は閉館1時間前まで 〈休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)及び12月31日(月)、1月1日(火)


◎アクセス

阪神電鉄「岩屋」駅、「春日野道」駅から徒歩約10分
JR「灘」駅南口から徒歩約12分
神戸市営バス(路線バス)、三宮駅前から約20分


◎主催

「震災からよみがえった東北の文化財展」実行委員会
遠野市(遠野文化研究センター・博物館)、陸前高田市、大船渡市、釡石市、大槌町、山田町、宮古市、日本ミュージアム・マネージメント学会

◎共催

静岡県教育委員会
愛知県大府市教育委員会
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

◎お問い合わせ

岩手県遠野市 遠野文化研究センター 調査研究課
〒028-0523 岩手県遠野市中央通り1-11
TEL 0198(60)2800
FAX 0198(60)1055
E-MAIL tono100(at)city.tono.iwate.jp

※平成24年度文化庁文化芸術振興費補助金(文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業)

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